ブランド化進む日高産トマト(平成28年2月28日高知新聞朝刊掲載)

ストレス掛け高糖度に/厳格な選果基準で高品質

ブランド化進む日高産トマト(平成28年2月28日高知新聞朝刊掲載)

 高糖度トマトの産地として知られる高知県。中でも、JAコスモスは早くからブランド化に取り組み、高岡郡日高村では冬から春にかけて「シュガートマト」を、吾川郡仁淀川町などの高山地では夏から秋にかけて「ぴゅあトマト」を生産。一年を通じて高糖度トマトを出荷する産地として成長してきた。厳しい選果基準を設け、品質の高いものだけをブランド名を付けて出荷することで、消費者の信頼を築き、ファンを作っている。同村で、今が旬の「シュガートマト」の産地振興に生産者とJAなどが一体となって取り組む様子を取材した。

▼重要な水と温度

▼重要な水と温度

 固く締まった小ぶりな実が特徴の高糖度トマト。専用品種だと思われがちだが、そうではない。
 「桃太郎」など通常の大玉トマトの品種を、水やりをギリギリまで抑え、ストレスを掛けることによってうまみの凝縮した高糖度トマトに育て上げる。ようやく生きられるだけの水で、多数の実を付けることのできる体力のある木を育てるには、作り手の卓越した技術が必要となる。
 山に囲まれた日高村は朝晩の寒暖差が大きく、古くからトマト栽培の好適地だった。1960(昭和35)年頃からビニールハウスでのトマト栽培が始まり、さらにおいしいトマトを目指して83(同58)年頃から新しい技術を導入。高糖度トマトの栽培に取り組んできた。
 「シュガートマト」の若手生産者の一人、川瀬康さん(39)は、サラリーマンとして働いた後、地元の同村にUターン。父の下でトマト作りを学んだ後、独り立ちした。高糖度トマトを作って15年になる。
 トマト作りの一年は夏から始まる。夏場に土作りを行い、8月の中旬から下旬にかけて苗を定植する。根の成長を制限するため、防根透水シートで根を包み込むようにして畝を立てる。序盤は水をたっぷりと与えてしっかりと根を張らせて強い木に育て、その後、水を切っていく。
 トマトは空気中の水分を取り込もうと、茎や葉、実からも細い産毛を伸ばすため、気温や湿度、葉の状態を見ながら日々水の量を調節し、ぎりぎりの状態を見極めて水の量を微調整する。
 水分ストレスの掛かったデリケートな木にとってはハウス内の温度もとても重要で、一定温度を保つために室温に合わせて天窓が自動開閉する設備を導入。さらに、結実に必要な養分を補うため、施肥の管理も重要なポイントとなる。
 トマトは下段から順番に実を付け、11月下旬から収穫が始まり、翌年6月まで続く。初期には水を多く与えるため、糖度は若干低めだが、水を切るにつれて糖度が増してくる。

▼全国唯一の選果場

▼全国唯一の選果場

 JAコスモスでは、ブランド確立のための重要課題として、味にばらつきのない商品を作るため、2001(平成13)年に光センサーで糖度を測る選果機を備えた日本で唯一のトマト専用選果場を建設した。糖度7度以上、色合い、形状などの厳しい選果基準を設け、条件を満たしたものだけを「シュガートマト」「ぴゅあトマト」として出荷する。
 シュガートマトは、糖度によってさらに3種類に分け、糖度7度を「Verde(ヴェルデ)」、8度を「Bianco(ビアンコ)」、10度を「Rosso premium(ロッソプレミアム)」としている。味の違いを明確にして価格帯を分けることで消費者の理解と信頼を得、それぞれの商品の付加価値を高めている。
 また、残留農薬の検査、生産履歴の管理もしっかりと行っており、販売先で万一不良品が見つかった際にも、箱に印字した番号から生産履歴をたどり原因を究明することができる。この安全・安心な品質も大きなブランド力となっている。

▼課題は生産者増

▼課題は生産者増

 この産地直結の選果場には日々採れたてのトマトが持ち込まれ、年間約400トンが「シュガートマト」「ぴゅあトマト」として出荷される。その7割は関東に出荷され、品質の高さから認知度が上がり、需要も高まってきた。市場からは出荷量を増やしてほしいとの要望もあるという。
 現在、同村の高糖度トマトの生産者は16戸。トマトの品質を安定させ、産地が一体となって同じ方向に向かっていこうと、月に1度会合を開き、お互いのトマトの食味を確認したり、生育状態の情報交換をしたり、新しい栽培技術の勉強会なども行っている。
 生産量拡大のためには、生産者を増やすことが課題であり、JAコスモスでは新規就農者のあっせんや支援、ハウスのレンタル事業なども行っている。
 現在、一部は「NPO法人日高わのわ会」が買い取り、トマトソースなどの加工品を作り、県内外で販売している。また、同村のトマトを使ったオムライスを販売する飲食店が連携して行っている「オムライス街道」のスタンプラリーは、村外からも人を呼び、町おこしの一端を担っている。
 「シュガートマト」「ぴゅあトマト」のブランド化が進む中、生産者、JA、自治体、民間が連携し、トマトを同村の一大産業にしたいという将来的な構想も持ち上がっているという。
 一昨年は水害に遭い、ハウス、選果場ともに大きな打撃を受けた。それに負けることなく復活したトマトの産地。さらなる挑戦をブランドの力が後押しする。

《直販所見〜つけた》 ふれあいの市土曜市

《直販所見〜つけた》 ふれあいの市土曜市

 土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線「のいち駅」構内に、土曜日だけお昼すぎまで営業する直販所。この市は1997(平成9)年、JA土佐香美女性部の佐古、富家、野市、香宗に住む有志数名で立ち上げた。当初はJA土佐香美本所でほそぼそと始めたが、徐々にメンバーも品物も増えた。その後、量販店(現在は閉店)内に移転。同線が開通した2年後の2004(同16)年、旧野市町役場から「駅構内でやってみないか」と声を掛けられ、引っ越してきた。
 生産者は70人を超え、お互いに切磋琢磨(せっさたくま)する仲。手塩に掛けた野菜や果物、田舎ずしや漬物などが並び、ここでしか買えない女性部の手作りみそは人気商品だ。
 部会長の山崎陽子さんは、「高齢になっても生き生きと野菜作りに励んでいます」と笑顔を見せる。駅フロアの店には、赤いエプロン姿の女性が数人。「ようできちゅうね」「これは私も作りゆうよ」と声を掛け合い、お客さんには食べ方を伝授する。文字通り「ふれあい」と活気であふれている。


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 所在地  香南市野市町西野2056―2
 電話   0887・56・0121(JA土佐香美総務部、平日のみ)
 生産者数 73人
 営業時間 午前8時半〜午後1時
 営業日  土曜日のみ
 駐車場  約15台(のいち駐在所東側・テニスコート駐車場)

みどりの広場 | 高知県農業協同組合中央会

《うちんくレシピ》 葉ニンニクのベーコン炒め

《うちんくレシピ》 葉ニンニクのベーコン炒め

【材料・4人分】
 葉ニンニク…2束、ベーコン…50グラム、モヤシ…100グラム、エノキ…1/2袋、塩・こしょう…少々、サラダ油…適宜

【作り方】
(1)葉ニンニクは適当な長さに切る。
(2)ベーコンは1センチ幅に切り、エノキは下の方を切ってほぐしておく。
(3)フライパンに油を熱し、ベーコンを炒める。
(4)葉ニンニクは茎を先に炒めてから、葉を加える。
(5)モヤシとエノキを加えてさらに炒め、塩・こしょうで味付けをする。
(提供:JA南国市園芸女性部)

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