「医食同源」JAと連携(高知新聞「みどりの広場」平成26年8月24日掲載)

病院食に地元食材活用

「医食同源」JAと連携(高知新聞「みどりの広場」平成26年8月24日掲載)

 1931(昭和6)年、香長病院として開院以来、高知農協病院の時代を経て82年の歴史がある「JA高知病院」(南国市明見)。組合員、そして地域住民の健康を守ることを使命として、地域医療を行ってきた。ここ数年、地域のJAと連携し、食を通じて患者を元気にする取り組みが進んでいる。全国的にも珍しい地産地消の病院食をはじめ、JA高知病院ならではのユニークな病院づくりの取り組みを取材した。

催しへの女性部の協力も〜レシピの提供も〜

催しへの女性部の協力も〜レシピの提供も〜

 豊かな田畑が広がり、農業が盛んな南国市。JA高知病院では、「医食同源」の考え方を基に、この地の恵みを生かした病院食に取り組んでいる。「医療によって治療することはもちろん、楽しんで食べることで元気になってもらいたい」と話すのは、取り組みのきっかけをつくった高知県厚生農業協同組合連合会の佐竹広茂会長(64)。
 佐竹会長自身が、二十数年前に2カ月間の入院生活を余儀なくされた際、「入院患者にとっては食事だけが楽しみ」と実感した。楽しく食べられるおいしい食事が生きる力になり、早期回復につながると確信。食材が豊富な南国市だけに、生産者と関わりの深いJAの強みを生かした病院食を提供したいと考えた。
 JA高知病院の元助産師で、現在はJA南国市女性部長を務める高橋幸子さん(66)に協力を依頼し、食材とレシピの提供を受け、新たな地産地消の病院食がスタートしたのは2009(平成21)年6月のこと。その後、県内の各JAにも呼び掛け、各地の旬の食材とレシピの提供を受けるようになった。
 同病院管理栄養士の森沢恵美さん(33)は、郷土料理や、生産者ならではの知恵と工夫を生かしたレシピを、「塩分6聴焚次廚覆鰭賊/の規定に沿ってアレンジして調理。森沢さんも「おいしい!」と絶賛する料理のレシピが病院の味となって、料理紹介や食材提供の団体名を書いた手製のカードと共に患者に提供されている。
 昨年は、JA南国市女性部のメンバーを病院の厨房に迎え、調理師を対象に料理講習会も実施した。素材の味を生かした季節の味、飾らない家庭の味、昔ながらのおふくろの味。月に1〜2度登場する地産地消の献立は、老若男女を問わず好評を博している。
 同様に、地産地消の取り組みを行っているのがJA北海道厚生連の札幌厚生病院で、JA高知病院とは食材交換による交流を行っている。高知では北海道から届いたジャガイモが、北海道では高知から届いたユズが患者たちを喜ばせている。
 また、朝食にパンを食べたいという声に応え、JA土佐れいほくの「米米ハート」で製造する米粉パンも導入した。月に2回のパン朝食を楽しみにする人も多い。

月1回の喫茶店

月1回の喫茶店

 JAとの連携は食材だけではなく、人の力もある。同病院に隣接する介護老人保健施設「JAいなほ」では、「JA南国市ボランティアの会」の会員の協力を得て、毎月1回、喫茶店をオープンさせる。
 施設の利用者らがお茶とお菓子を楽しめるサロンのような場所で、利用者同士の交流を図り、面会に訪れた家族と楽しいひとときを過ごしてもらうことが目的。ボランティアの会員らとの会話も楽しく、「この日、この時間を楽しみにしている」という人も多い。
 また、新茶の季節にはJAコスモス(高岡郡佐川町)の職員らが同病院を訪れて、「新茶まつり」を開催する。待合ロビーで新茶の接待を行い、病院を訪れる人たちをほっとさせている。新茶は、入院患者や「JAいなほ」の利用者にも振る舞われ、「季節の味を楽しめる」とこちらも喜ばれている。
 これから広げていきたい取り組みの一つに、野菜の自家栽培がある。「JAいなほ」の利用者と共に、水やりや施肥をしながら大切に育ててきた野菜を収穫し、食卓に載せる。佐竹会長は、JA南国市の営農指導員の協力を得ながら、さらに大きな農園に育てたいと考えている。
 また、「健康管理の面でも、JA女性部の力を借りていきたい」と言う。まずは「自分が健康になること」と、県内の全女性部員を対象に大腸がん検診をスタートさせた。
 女性の死亡率が高いものの検査に抵抗があり発見が遅れやすい大腸がんの検診を行うことで、自分の体に関心を持ってほしいと考えた。さらに、自分の身の回りの人、地域の人の健康を守る存在であることを意識づけた。
 「地域の人との関わりが深い女性部員たちに、病院の資源をうまく利用し、地域の健康管理に役立ててほしい」と言う。依頼があれば医師や管理栄養士による健康増進のための講演も行っている。

地域に根ざす病院に

地域に根ざす病院に

 同病院は、地域住民の健康を守るための病院。組合員でなくても他の医療機関と同じように保健診療が受けられる。「糖尿病教室」や「健康を守る教室」など健康増進のためのセミナーや、「JA高知病院まつり」など、地域住民を対象としたイベントも随時開催し、広く開かれた病院となっている。
 毎年4月に開催する「JA高知病院まつり」は、健康をテーマにした病院を開放してのイベント。血圧や骨密度、体脂肪などを調べる無料健康チェックを行うほか、駐車場では飲食店の出店や物品販売も行う。普段は病気に縁がない人も気軽に病院を訪れることができる機会となっている。
 また、同病院は県東部の周産期医療を担っており、年間400〜450人の新生児が誕生する。産婦人科が激減する中、産婦人科と小児科を備える病院として高知の未来を支えている。
 新しい生命の誕生を祝って3舛離灰瓩鬟廛譽璽鵐箸垢襪里癲■複舛龍力あってこそのユニークな取り組み。県外から里帰り出産する人も多く、入院中の地産地消の食事も大変喜ばれるという。「おいしいご飯を食べて、元気な赤ちゃんを産んでほしい」と佐竹会長。ここにも食の力が生きている。

《直販所見〜つけた》 JA四万十 みどり市

《直販所見〜つけた》 JA四万十 みどり市

 JA四万十の「みどり市」は、高岡郡四万十町から中土佐町大野見にかけての農産物が一堂に集まる直販所。4月に売り場面積を広げてリニューアルオープンし、女性部による「手づくりキッチン」を新たに増設した。
 お弁当や丼物、お総菜など、地元の食材を使って全て手作り。午前7時から調理を始め、商品を並べるそばから売れていく。売れ筋は地元の大豆のおいしさを生かした「まんまる大豆揚げ」やおからを使った総菜、地元の米豚を使ったハンバーグなどなど。安全で安心なおふくろの味は大人気となっている。
 同町は、ニラやショウガ、四万十セリなど特産品が豊富で、豚や和牛の飼育も盛んな食の町。みどり市でも新鮮な野菜やおいしいコメはもちろん、四万十ポーク米豚、四万十和牛も新鮮な状態で手に入る。女性部が隣の工房で作っている「ときめき豆腐」はぬくぬくの状態で店頭に並び、たくさんの人が買い求めにやって来る。
 この地域は仁井田米をはじめとするおいしいコメの産地。9月下旬からは新米も入荷し、「新米まつり」も開催する予定。
 ………………………………………
 所在地  高岡郡四万十町榊山町5―2
 電話   0880・22・1008
 生産者数 約400人
 売場面積 約347平方
 営業時間 午前8時半〜午後7時
 休日   元日〜1月4日、3月31日
 駐車場  36台

みどりの広場 | 高知県農業協同組合中央会

《うちんくレシピ》 ニラの豚肉巻き揚げ

《うちんくレシピ》 ニラの豚肉巻き揚げ

【材料】(4人分)
ニラ…2束、豚もも肉(薄切り)…200帖△たくり粉…適量、卵白…1/2
(A)しょうゆ…大さじ2、砂糖…小さじ1、豆板醤(とうばんじゃん)…小さじ1/2、酢…大さじ2
【作り方】
.縫蕕蓮■餌を半分にして大きさをそろえる。
豚肉の半量をニラ1束に巻きつける。かたくり粉を多めに、握り付けるようにしてまぶし、半分に切る。
M馭鬚鬚茲溶きほぐし、△鬚ぐらせて160度の油で揚げる。
たべやすい大きさに切り、(A)を合わせたたれをかけて食べる。(提供:JA四万十女性部)

高知県農業協同組合中央会[]
〒780-8511高知県高知市北御座2-27
JA高知ビル6F
tel088-802-8030fax088-804-3180
Copyright(C)2018ja-kochi.jpAll Rights Reserved.